Story
愛する両親と暮らす、あどけない5歳の一人娘・エマ(ヘイヴン・リー・ハリス)。ある日エマは、父アレックス(ブリオン・デイビス)と母サラ(オーギー・デューク)の激しい言い争いを目撃し、動揺のあまり階段から転げ落ち、そのまま意識を失ってしまう。
目を覚ますとそこは、薄暗い不気味な森の中だった。暗闇の中で光を放つ窓から中を覗くと、そこには担架に乗せられている自分の姿と、その様子を見て嘆き悲しむ両親の姿が。「ここにいるよ!」と必死で窓を叩くエマだが、彼らの耳には届かない。絶望したエマの目から、数滴の涙が頬を伝い、地面から下水管を通って地下深くに置かれた銀皿にこぼれ落ちた――。
とその時、ぼろぼろのロングコートを纏い、餓えた歯をガタガタと鳴らす死神のような恐ろしい怪異《ティース》が姿を現す。
エマの涙を貪ろうと執拗に追いかけてくるティースから逃げ、暗い配管の続く道を進み、濁った井戸の底へ迷い込んだエマは、そこでピアノ奏者と出会う。ピアノ奏者からもらったトランシーバーから聞こえる両親の声を頼りに、エマは超現実的な夢の世界のさらに奥深くへと進んでいく――。